梅雨に入ると生き生きとした姿を見せてくれるあじさいは、多くの日本人が好む植物のひとつではないでしょうか。
あじさいの原種はガクアジサイですが、日本原産なんですよ。
雨の日を彩ってくれるあじさいは挿し木でも簡単に増やすことができます。
好みの青紫色の切り花のあじさいを買ってきて、挿し木にして育てたら、花の色がピンク変わってしまったんです。。
挿し木が根付いてから3年目にやっとついた花がピンクだったときは、ちょっぴりがっかりしました。
土壌の成分に左右されるといわれるあじさいの色ですが、もとの青紫の花を咲かせることはできるのでしょうか?
あじさいは土の成分で色が決まる
咲き始めから咲き終わりにかけて七色に変化すると言われるあじさいですが、大きく分けるとピンク系と青系に大別されます。
あじさいが植わっている土壌が酸性だと青いあじさいになり、土壌がアルカリ性だと赤系になるんですね。
小学生の時のリトマス試験紙の実験を覚えていますか?
酸性だとリトマス試験紙は赤く、アルカリ性だと青くなりましたよね。
あじさいの色の変化はそれと逆です。なぜなんでしょうか?
土が酸性の場合ーアルミニウムイオンができるーあじさいに含まれるアントシアニンなどが反応するー青くなる
土がアルカリ性の場合ーアルミニウムイオンができないーあじさいに含まれるアントシアニンは反応しないー赤くなる
※アルミニウムは酸性の土に溶けやすく、アルカリ性の土には溶けにくいという特性があります。
※アントシアニンとは?
アントシアニンとは、ブルーベリーやナス、紫いもなどに含まれるポリフェノールの一種で、青紫色の天然色素です。
あじさいの色はアントシアニンとアルミニウムが結合することで、色の変化がおこるんですね。
日本では青色系のあじさいが多くみられますが、これは森林が多く雨の多い日本の気候の特性により土が酸性のためです。
では同じ土でも様々な色のあじさいがあるのはなぜでしょうか?
同じ土でも様々な色のあじさいがあるのは、アルミニウムを吸い上げる根の力がそれぞれ違う為です。
また同じ株でも色味に違いが出るのは、つながっている根の吸い上げる力がそれぞれ違うことによります。
あじさいの色をピンク系から青系に変えるには?
基本的には赤系のあじさいを青系に変えることは困難です。
もともと持つ固有の色を変えることはできませんが、赤系、青系をより濃くすることはできます。
私は買ってきた青紫の切り花のあじさいを挿し木にして根付かせたのですが、3年後に漸く咲いた花はピンクでした。
青紫系のあじさいがアルカリ性の土壌で育ったので、色が変わったというより青紫が薄くなってピンクになったのではと想像しています。
青系を濃くする場合
酸性にするには鹿沼土やピートモスを混ぜます。
どちらも土壌を酸性に傾きやすくする素材です。
または硫酸アルミニウム(カリウムミョウバンー薬局、通販で入手できます)を500倍〜1000倍に溶かした水を年に数回根元に与えます。
赤系を濃くする場合
アルカリ性にするには赤玉土や腐葉土を混ぜた土に苦土石灰を混ぜます。
色を変化させるには土壌の環境を変えればいいんですね。
土壌の調整はだいたい4月から5月くらいまでにしてみてくださいね。
それ以降だとアルミニウムの吸収が送れるので、効果が出にくくなります。
しかしあまり土壌に影響されず、色が固定されている品種もあります。
コントロールがきかなく色が変わらないものもあるんですよ。
ちなみに白いあじさいは、土壌が中性ということではなく、アントシアニンをもたないので、どんな土壌でも白い花になります。
市販の専用土を使用する場合
園芸店では市販のアジサイ用の培養土が売っていますので、それを利用すると便利です。
青い花用の培養土、赤い花用の培養土がそれぞれあります。アジサイ用の肥料も市販されていますよ。
まとめ
鬱陶しい雨の日が続いてもあじさいの花を見ると、晴れやかな気持ちになりますね。
青系でもピンク系でも日々変化していくあじさいの色を観察するのは楽しいです。
あじさいを好みの色に変化させるのは難しいですが、土壌を改良することで花の色の濃淡を変えることはできそうです。
ピンクのあじさいを青くすることはできませんが、青紫にすることはできるかもしれません。
私もぜひ挑戦してみたいと思います。