長いようで短い夏休み、気がつけばもう終盤にさしかかっているけれど、まだ自由研究の宿題が残っている!どうしよう。。
夏休みの自由研究、時間もないしなかなかアイデアが浮かばないと。。あせっている中学生におすすめの理科の実験です。
「ペーパークロマトグラフィー」って聞いたことがありますか?
実験自体は簡単で1日でできますので、もう時間がないというあなたにはピッタリのテーマです。
以下を参考に取り組んでみてください。
目次
夏休みの自由研究はペーパークロマトグラフィーが面白い!
ペーパークロマトグラフィーとは?
簡単にいうと紙の毛細管現象を利用し色素の分離を行う実験です。
ノートに書いた字に水滴などが落ちて、ノートの字が滲んでしまった経験ってあるのではないでしょうか?滲んだ字をよく見た事はありますか?
よく見ると青のペンで書いたのに水色や黄色が滲んでいませんでしたか?
不思議に思いませんでしたか?
なぜ青のペンから異なる色素が滲んできたのでしょうか?
実験に必要なもの
・コーヒーフィルター(白)濾紙として
画用紙やキッチンペーパーも使用しましたが、コーヒーフィルターが分離はきれいに出ましたよ。
最近は白のコーヒーフィルターを売っているお店が少なくなりました。今回はダイソーで購入
・水性サインペン
・透明のコップ
・割っていない割り箸
実験方法
コーヒーフィルターを長方形に切る(今回は2cm×10cmにしました)
下から2cmくらいのところにサインペンで線をひく
コップに1cmくらいの高さまで水を入れる
割り箸に挟んだ濾紙をつける
色の分離を観察する
30秒ほどでこんな感じになりました
新聞紙の上で乾かします。
最後にもう一度サインペンの色を濾紙の下に書いておきました。
右側のペンの色は黒く見えますが実際は深緑です。
某メーカーの水性サインペン12色セットで実験してみました。青は滲まずでした。
ペーパークロマトグラフィーの分離の理由
紙(濾紙)に水性サインペンのインクをしみ込ませて、水につけると水溶性の色素はしみ込んできた水に運ばれて、滲んで広がっていきます。
その結果、色素を何種類か混ぜているサインペンは紙になじみ易い色素から広がっていくのです。
ペーパークロマトグラフィーは化学の定性測定(入っている物質は何か)の基礎といえます。
物質へのなじみ易さの違いを利用して、混合されたものを分離する方法をクロマトグラフィーと呼んでいます。
一色に見えるサインペンでも、じつは何色かの色素を混合してできていることが多いのです。
混合された色素はそれぞれの紙へのなじみ易さがちがうので、紙への移動速度が違ってきます。
その結果何色かの混ぜられた色が分離して現れるのです。
色素が紙とどのくらいなじみ易いかで、同じ時間で移動速度が異なってきます。
「色が分離してきれい!サインペンの色はじつはいろいろな色が入っている」
小学生の自由研究ならここまででもいいのですが、中学生ならもっと深い考察が必要になります。
実験を通して生まれる疑問について、考察し、条件を変えたり、統一したりとさらに実験を重ねると思考が深まって自由研究が楽しくなりますよ。
ペーパークロマトグラフィーの自由研究のまとめ方
基本のまとめ方
研究の動機・目的
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参考資料
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仮説をたてる
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実験方法
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実験の結果
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結果の考察
↓
まとめ
インターネットや図書館で本を借りたりして情報を集めましょう。
そしてまず、その知識をもとに自分なりの仮説をたてることが大切です。
仮説→実験→考察→仮説→実験→考察・・・を繰り返します。
必ずしも事前に調べたようにうまく色が分離するとは限りません。
失敗してもその結果をもとにまた条件を変えて再度実験してみましょう。
必ず自分が行った実験の結果から考察を導くことが大切です。
うまく色が分離したら、今度は同じ色で別々のメーカーのペンで比較してみてはどうでしょうか。
同じ色のサインペンなら皆含んでいる色素は一緒なの?という疑問を持ちますよね?
展開溶液(ろ紙を浸す溶液)を水以外のものにする、紙の種類を変えてみる、など条件を変えてみてその結果から考察を導き出すこともできます。
1つの条件を変えたら他の条件は統一します。
たとえば黒の種類の違うペンを比べるなら、その他の条件(紙の種類、浸す時間など)は統一します。
大切なことはなぜ?どうして?という思考をもって自由研究に取り組む姿勢です。
実験がうまくいかなくてもその失敗をありのままにまとめた方がオリジナルの自由研究になります。
ちょっと勇気がいりますが、ペンのメーカーに夏休みの自由研究のために教えてほしい旨を伝えた上で、どんな成分が使われているのか、なぜ複数の色を混ぜてペンの色を作るのか取材の電話をしてみるのもひとつのアイデアだと思います。
メーカーの広報に尋ねれば、どこまで教えてくれるかはわかりませんが、丁寧に対応してくれると思いますよ。
まとめ
ペーパークロマトグラフィーは身近な材料で、簡単に出来る実験なのでおすすめです。
実験そのものは簡単ですが、その結果から考察を導きまとめるのは、それなりに時間がかかりますね。
上記の「ペーパークロマトグラフィーの自由研究のまとめ方」を参考にポイントをおさえて書けば、形になると思いますので、頑張ってください。
考えたこと、苦労した点、感想など思考の過程を丁寧に書けばよりよい自由研究になりますよ。
もし自由研究の宿題がまだなら参考にしてみてくださいね。