その愛くるしい顔と仰向けでプカプカ水面に漂っている風体に、癒されるラッコですが、ラッコの生態って実はあまり知られていないのではないでしょうか?
ほのぼのとした雰囲気だけでもう満足してしまうラッコですが、実はラッコの生態は知れば知るほど面白いんです。
そしてラッコは絶滅危惧種に指定されていることもあまり知られていません。
最後にどこに行けばラッコに会えるのか、ラッコのいる水族館についてもお知らせします。
ラッコの生態がかわいい!
・名前の由来
ラッコはイタチ科最大の哺乳類で(海に棲む哺乳類の中では一番小さい)、カワウソ亜科、ラッコ属に分類されます。
たしかにイタチっぽいし、カワウソのようでもありますね。
英語ではSea otter(シーオッター)「海のかわうそ」ってことですね。
日本語ではアイヌ語が語源で「ラッコ」です。
・アメリカやロシアなどの北太平洋の浅い沿岸に生息していて、北海道で目撃されることもあるようです。
岩が多く磯のあるところを好んで。野生では十頭から数十頭の群れで暮らしています。
海の上に群れでプカプカ浮かぶラッコを想像しただけで可愛いですね。
・ラッコは大食漢
一日のエサの量は約10kgでこれを人間に置き換えると、体重60kgの人が約15kgの食事をすることに相当します。
体重の4分の1から5分の1くらいの量を食べています。
寒い地域に生息しているので、栄養価の高いエサを沢山食べて、体温を維持しなければならないのです。
ラッコはこれほどのエサをたべてもほとんど皮下脂肪がありません。
あまりにも寒い海に棲んでいるので、ほとんどのエネルギーが体温を保つために使われてしまい、脂肪を蓄えている余裕がないのです。
・ラッコの食べ物
ラッコはアワビ、ハマグリやホタテなどの二枚貝、カニ、ナマコ、ウニ、、海藻などを食べています。
魚などもたべるようですが、泳ぎがあまり上手くないので、動きの早いものを捕まえるのは得意ではないようですね。
動きの遅いものの方が消費するエネルギーも少ないので、皮下脂肪を蓄えて寒さから身を守りたいラッコにとってはそちらの方が効率的ということでしょうか。
・ラッコが石で貝を割って食べるのは知られていますが、この石はいつも同じもののようです。
お気に入りの石を脇の肉のたるんだところに隠していて、貝を割る時はその石を使用するんだそうです。
・なぜバンザイしながら浮いているの?
バンザイをしたような格好で浮いているのは、手の平には毛がないので海の冷たさから手(前足)を守るためなのです。
・ラッコは毛深い
ラッコは皮下脂肪が少ないのですが、そのかわりに毛が密に生えていて毛皮動物の中でも最高です。
オットセイの2倍、ミンクの4倍だそうですよ。
・ラッコは顔が小さく、胴が長いのが特徴です。耳は小さく、水面では上を向いていますが水中では、水が入らないように下にたおして耳の穴をふさいでいます。
・水族館でラッコ同士がしばしば手をつなぐのを見たことがあるかもしれませんが、もともと海で流されないように海藻を体に巻き付ける習性があり手をつなぐのはその名残のようです。
2頭でつながって浮いている様は本当にかわいいですよね。
ラッコはなぜ絶滅危惧種になったのか
ラッコは寒さから身を守るために毛が密に生えていて、この高品質な毛皮を目的とした乱獲で20世紀初頭には絶滅寸前になってしまいました。
現在は捕獲や取引が制限されていて国際自然保護連合の絶滅危惧種に指定されています。
ラッコはどこの水族館で見られるの?
日本国内にいる水族館のラッコはピーク時の122頭から12頭の減ってしまいました。
海外からの輸入が難しいうえに、国内の繁殖もうまく進んでいない状況です。
関東では2016年の3月に池袋のサンシャイン水族館にいたロイズが繁殖のために鳥羽水族館へ里帰りし、2017年4月には横浜の八景島シーパラダイスにいたユータンが死んだために、現在、関東で見れるのはアクアワールドのカンナが最後の1頭になってしまいました。
・アクアワールド茨城県大洗水族館(茨城)
・新潟市水族館マリンピア日本海(新潟)
・のとじま水族館(石川)
・鳥羽水族館(三重)
・海遊館(大阪)
・神戸市立須磨海浜水族園(兵庫)
・アドベンチャーワールド(和歌山)
・マリンワールド海の中道(福岡)
まとめ
そののかわいさだけで満たされてしまい、ラッコの生態や絶滅危惧種であることなどは意外と知られていないのではないでしょうか?
122頭もいたのに現在は12頭とはショックですよね。
ラッコの寿命は20年くらいと考えられています。
ぜひ、繁殖がうまくいって、あちこちの水族館で見られるようになるといいですね。